1299.ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記Part5

本日は「ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記」の続きをお話ししたいと思います。
今回が5回目になります。

会社設立から2年が経ち、ようやく事業が順調に行くようになりました。
毎日、朝から晩まで営業して、地道に働いたおかげですね。
そして、倒産という危機はもうないだろうと安心して、
「商売は意外と簡単なものだな」
と思ったそうです。

そして、著書には次のように書かれています。
「ないないづくしで始めた自分でさえこれだけのことができるのに、世の中のおとなはなんて情けないんだろうとも思った」
と書かれています。

かなり油断した気持ちになっていますね。
そして、大人達を見下すような思いにまでなっています。
傲慢になってしまいましたね。
事業が順調(プラス)→傲慢になる(プラス)
という具合に、プラスとプラスで運が離れていってしまいますね。

そして、そんな時起こるべくして起こったという感じなのかもしれません。
その時、コーヒー豆の焙煎と卸売りで、順調に事業がいくようになりました。
しかし、経営の安定を目指して、喫茶店経営にも乗り出すことを決めました。
これが大きな裏目に出ることになります。

手頃な物件を探していると、うまい具合に条件に合った店舗が東京の新橋に売りにだされていたようです。
友人・知人から700万円借りてその物件を買う事に決めました。
しかし、店の受け渡しを目前にして相手方から契約違反をでっち上げられて、その700万円を騙し取られてしまいました。
1960年代の事ですから、現在のお金で換算すると、3000万~5000万位にはなるのかもしれませんね。
せっかく友人知人から借りたお金を騙し取られてしまうのですから、大変なことになりましたね。
傲慢になってしまったツケが、ここにきて来てしまいました。
絶体絶命ですね。

そして、お金を返して貰うために、相手方に押しかけ詰め寄ったそうです。
相手の人は、「殺されかねない」と思ったのか、警察を呼びました。
すると、鳥羽さんはそのまま警察に連行されてしまいました。
踏んだり蹴ったりの状況ですね。
その時の状況が目に浮かびますね。

しかも、悪い事に「俺がそのお金を取り戻してやろう」というひとりの男がやってきたそうです。
なんだか、とても怪しい男ですね(笑)
この時の鳥羽さんは藁にもすがる思いなので、その男に頼まざるをえません。
きっと取り返してくれるだろうと期待しました。
ところが今度は、恐喝の疑いでまた鳥羽さんは警察に連行されてしまうことになってしまいます(笑)。
完全に運に見放された状況です。
ここまで来ると、なんだか漫画の世界みたいですね。
なんとか、そのお金を取り返さなければという必死の思いなのですね。

鳥羽さん、今度は弁護士を雇ってそのお金を取り戻そうと考えます。
鳥羽さんにとっては、この件は相手に騙されたことなのだから、裁判は簡単に進むと思っていたそうです。
しかし、裁判は意外と時間がかかり、思うように進まなかったみたいです。
こうなると、完全に運に見放された感じがしますね。
どう転んでも、鳥羽さんの思うように事が運んでくれません。

それどころか、あともうちょっとの所でどんでん返しをくらうことになります。
裁判は徐々に、鳥羽さんに有利に進むことになり、結果相手の人は和解を申し入れることになりました。
鳥羽さん、勝利かと思いきや。

続きはまた次回にお話しします。

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